映像作品をクライアントに送る方法
1本2GBの動画を、相手に負担をかけずに、確実に届ける方法を比べます。
4つのやり方
| やり方 | 向いている場面 | つまずくところ |
|---|---|---|
| ファイル転送サービス | 元データを1回だけ渡す | 期限で消える。相手がダウンロードするまで終わらない |
| クラウドストレージ | 共同作業。修正を重ねる | 相手にアカウントを求めることがある。権限の設定を間違えやすい |
| 動画プラットフォーム | 見てもらうだけでよい | 誰が見たかが分からない。公開設定の事故が起きる |
| 送付専用サービス | 作品集として繰り返し送る | 元データそのものを渡す用途には向かない |
「送る」と一言で言っても、元データを納品するのか、見てもらうだけなのかで最適解が変わります。混ぜて考えると、どれを選んでも不便になります。
相手に負担をかけない
受け取る側は、たいてい忙しく、ITに強いとは限りません。次の3つはそれだけで開封率を下げます。
- アカウント登録を求める
- 専用アプリのインストールを求める
- ダウンロードしてから再生させる(2GBのファイルは、電車の中では開けません)
ブラウザでそのまま再生できることが、いちばん効きます。見てもらうことが目的なら、元データを渡す必要はありません。
公開前の作品をどう扱うか
ここがいちばん事故の起きるところです。オンエア前の広告、未発表のMV、契約で公開時期が決まっているもの。これらが検索に出てしまうと、取り返しがつきません。
- 公開用のページと、送付用のリンクを分ける
- 送付用のリンクは検索エンジンに載せない(noindex)
- 作品ごとに「この日より前は送らない」を持たせる
- リンクに期限を付ける。辞めた担当者のメールに残り続けないように
「限定公開」は「非公開」ではありません。URL を知っていれば誰でも開けるという意味です。転送されれば、その先は追えません。追えるようにするには、送り先ごとにリンクを分けるしかありません。
容量別の目安
| 容量 | 中身の目安 | 向いているやり方 |
|---|---|---|
| 〜200MB | 1分の書き出し(H.264・フルHD) | どのやり方でも問題ない |
| 200MB〜2GB | 数分の作品、高ビットレートの書き出し | ストリーミング再生。ダウンロードさせない |
| 2GB〜20GB | ProRes などの中間コーデック、素材一式 | ファイル転送かクラウドストレージ |
| 20GB〜 | 撮影素材、マスター | 物理メディアも選択肢に入る |
見てもらうことが目的なら、2GB を超えるものを送る必要はまずありません。H.264 でフルHD、8〜12Mbps 程度に書き出せば、1分あたり 60〜90MB に収まります。相手のモニタで見分けがつかない画質のために回線を使わせても、得るものがありません。
相手が再生できないとき
「見られませんでした」という返事が来たとき、原因はだいたい次のどれかです。相手を疑う前に、こちらで潰せるものから確かめてください。
- 社内ネットワークが動画サイトを遮断している(代理店や大企業では珍しくありません)
- コーデックがブラウザで再生できない(ProRes、DNxHD をそのまま渡していないか)
- リンクの期限が切れている
- メールのセキュリティ製品がリンクを書き換えて壊している
上2つは、こちらの送り方で防げます。ブラウザでそのまま再生できる形に書き出し、一般的な https のページとして開けるようにしておけば、遮断に当たる確率が下がります。
届いたかどうかを確かめる
送ったあとに返事が来ないとき、原因は3つに分かれます。届いていない、開かれていない、見たが響かなかった。この3つは、打つ手がまったく違います。にもかかわらず、多くの送り方では区別がつきません。
REEL DELIVERY は、送り先ごとにリンクを分け、どの会社が、どの作品を、どこまで見たかを記録します。追いかける電話をかける前に、かける価値があるかが分かります。
REEL DELIVERY は、映像作品を1か所に溜めておき、送り先ごとにリールを組んで URL で送れるサービスです。どの会社が、どの作品を、どこまで見たかが分かります。